クレジットカードには

  • 買い物をするためのショッピング枠
  • お金を借りるためのキャッシング枠

がありますが、実はクレジットカードのショッピング枠は2種類あることは知らない方も少なくないでしょう。

ひとつは単純にカードショッピングが利用できる枠のことですが、もうひとつは法律で定められている利用枠です。

それでは、この2種類のクレジットカードのショッピング枠について詳しく解説しましょう。

クレジットカード会社が決めるショッピング枠とは?

クレジットカードのショッピング枠

クレジットカード会社ではクレジットカードを新規発行するときに、初期カード利用枠を設定します。

クレジットカードには種類があり

  • 一般的なクレジットカード
  • ゴールドカード
  • プラチナカード
  • ブラックカード

といったようなランクがありカードの種類によって上限があります。

したがってショッピング枠を無制限に利用できるカードもあれば上限が100万円までしかないクレジットカードもあるのです。

この利用枠は新規発行する際の審査によって決められて初期設定利用枠としてカードを発行する仕組みとなります。

例えばカード利用枠が50万円の場合、ショッピング枠も50万円となりますが、キャッシング枠が10万円であれば50万円の枠の中に含まれます。

つまりショッピングで、すでに50万円分を使用している場合には10万円のキャッシングは利用できません。

また、反対にキャッシングによって10万円を借りている状態あれば、ショッピング枠は40万円しか利用することができないというのが一般的です。

このショッピング枠は初期設定のほかに申請して増枠することも可能です。

クレジットカード会社のショッピング枠の増枠は可能なのか?

ショッピング枠増枠の可否

新規発行のクレジットカードが手元に届いてから利用実績を重ねて6ヶ月以上経過すると、ほとんどのクレジットカード会社ではカードショッピングの利用枠の増額が可能となります。

増枠は申請して審査を通過すると、増枠されたカード利用枠で引き続き利用できるようになり元の利用枠に戻ることはありません。

審査は新規申込の審査よりも簡単で、他社も含めたクレジットカードの利用状況に問題がなければ通過します。

クレジットカードの利用状況における「問題」というのは

  • 未払い
  • 支払遅延
  • 他社の利用残高が多すぎる

といったことです、

またショッピング枠の増枠には特別な理由によるものもあり、それは

  • 海外旅行期間中
  • 結婚式の費用

など一時的な増枠です。

これも簡単な審査で承認されれば、一定期間のみカード利用枠を増やすことができます。

もうひとつのショッピング枠となる割賦販売法の割賦利用可能枠

もうひとつのショッピング枠

これまで解説したカード利用枠はクレジットカード会社によって決められたものですが、割賦販売法でもカード利用枠が定められています。

このカード利用枠は「割賦利用可能枠」と呼ばれていて、一括払い以外の支払方法で利用できるショッピング枠のことです。

基本的には分割利用できる利用枠となり、

  • 分割払い
  • リボ払い
  • ボーナス払い

も含まれます。

割賦販売法では年収や生活維持費などを考慮して、定められた計算式によって割賦可能利用枠の上限を定めています。

具体的な計算式は次のとおりです。

包括支払見込可能額=年収-生活維持費-年間請求予定額

割賦利用可能枠=包括支払見込可能額×90

年収はカード申込書記載の自己申告額、生活維持費は法律で定められた金額で、年間請求予定額は個人信用情報機関に登録された金額を元に算出します。

生活維持費は居住費の有無、同一生計人数によって定められています。

例えば一人暮らしでアパート住まいの場合は90万円、4人暮らしで住宅ローンがあると240万円が生活維持費とみなされます。

具体的に年収300万円で3人暮らし、賃貸住宅居住、年間請求予定額30万円の場合で計算してみましょう。

300万円-209万円-30万円)×90%=54.9万円

この場合の割賦可能利用枠は54万円ということになります。

ただしカード会社が定めたカード利用枠は割賦利用可能枠には影響されないので、100万円という場合もあります。

その場合、分割払いで54万円を利用していても、46万円は一括払いで利用できることになります。

また、割賦利用可能枠の計算は新規申込時だけでなく、ほかのタイミングでも行なわれます。

割賦可能利用枠の計算タイミング

割賦販売法の利用枠の計算は

  • 新規申込時
  • 増枠申請時
  • カード更新時

に行なわれます。

これはクレジットカードを発行した後でも、他社の利用が増えて年間請求予定額が増えることがあるからです。

反対に他社の残高がなくなって年間請求予定額が減ることで、割賦利用可能枠が増えることもあります。

増枠申請やカード更新後には「割賦利用可能枠のご案内」というような案内状が届き、決定された割賦利用可能枠が通知されます。

クレジットカード申込当時よりも年収が増えたといった状況の変化があれば、割賦利用可能枠も増枠の申請が可能です。

割賦可能利用枠の注意点

割賦利用可能枠はリボ払いや分割払いだけを対象としているように思われているので、リボ枠や分割枠などとも呼ばれています。

しかし実際にはボーナス一括払いや2回払といった手数料がかからない支払方法も含まれています。

そのため審査時のタイミングによっては、高額なボーナス払いの残高も含まれて計算されることもあります。

しかし返済によって残高が減ることで、また利用することが可能です。

また、リボ専用カードは割賦利用可能枠の影響が大きくなるので十分注意しましょう。

一括払いは対象外なので手数料負担も考えて、一括払いをメインとした支払にすれば割賦利用可能枠は気にする必要がなくなります。

クレジットカード現金化ユーザーはショッピング枠を理解しよう

現金化に重要なショッピング枠

クレジットカードのショッピング枠についてはおわかりいただけたでしょうか?

 

ショッピング枠には

  • クレジットカード会社の定める一括払い枠
  • 割賦販売法が定めるリボ枠

といった二つの利用枠があります。

クレジットカードのショッピング枠現金化はどちらの利用枠も使用することはできますが、使用できる限度が異なります。

そのため現金化を利用する前に使用可能なショッピング枠の残高を確認しておいた方がよいでしょう。

そしてクレジットカードの現金化はリボ払いよりも金利のかからない一括払いのショッピング枠を現金化した方が適しています。