深夜、テレビを見ていたら「闇金ウシジマくん」のドラマが放映されているのをご存知でしょうか?
ウシジマ社長が取り仕切るカウカウファイナンスでは10日ごとに元金の5割の金利を支払わなければならない超高金利の違法貸金業者です。
今も昔も貸金業の許可のない高利貸しは潜んでおり大手消費者金融や銀行からはお金を借りることができない貧困層を食い物にしています。
そんな闇金業者の日常をドラマ化したのが闇金ウシジマくんなのですが、闇金融とは縁のない方が見ても面白い作品として人気となっているのです。
クレジットカード現金化に対する世間のイメージはネットショップや買取業者を装った貸金業者と捉えられていますが、本当に現金化業者というのはウシジマくんのような闇金融業者が業務を行っているのでしょうか?
現金化業者が逮捕される理由となる犯罪
クレジットカード現金化はこれまでいくつかの業者が法律に違反したとして逮捕されました。
ではどのような違法行為を犯したのかといいますとすべての業者が共通して無許可による貸金業法違反や法外な高金利による出資法違反という罪で摘発されています。
この犯罪というのは闇金融業者が逮捕される際の罪名と同一のものです。
つまり法的な解釈としてはクレジットカード現金化業者は闇金融業者と同じ扱いと判断されていることになります。
しかし現金化業者はこの法的解釈とは異なった考えでショッピング枠を現金化していました。
「ショッピング枠の現金化はお金を貸すのではなくキャッシュバックによる還元や買取代金としてお金を送っていただけでしかない」
これがクレジットカード現金化としての建前でした。
しかし逮捕された結果は違法な高金利の闇金融業者としてです。
なぜこのような結果に至ったのかといいますと、クレジットカード現金化業者は過去に貸金業を営んでいた経験者が半数以上を占めていたからです。
現金化業者の実態は高金利融資の貸金業者
そもそもこのクレジットカード現金化というビジネスは昔から商売ではありません。
ではどのような商売から派生したものなのかといいますと、その内容から真っ当な事業ではない印象があるのではないのでしょうか?
なぜなら換金目的での使用を認められていないクレジットカードのショッピング枠をお金に換えるビジネスだからです。
さらにキャッシュバック方式による現金化方法の場合には価値のない商品をクレジットカードで高額決済させる常識では考えられない荒々しい手法となります。
それをキャッシュバック特典として現金を還元するのは普通の商売ではあり得る話ではありません。
したがってクレジットカード現金化を貸金業者と判断するのもわからなくはないのです。
そしてこの業務を実際に行っているのはそれまで違法な高金利で金銭の貸付を行っていた貸金業者なのでした。
闇金ウシジマくんのような金融業者は事務所でお金を貸し付け返済させます。
そして支払いが滞った債務者を取り立てし焦げ付きが出ないよう収益を収集する商売です。
その点、クレジットカード現金化での融資では内容は異なってきます。
- まず債務者に提携のネットショップよりクレジットカード決済で商品を購入させます。
- キャッシュバックなどの名目により実質的な金利を差し引かれた元金の融資を行うのです。
- そして現金化業者はクレジットカード決済をした代金を回収します。
- 債務者の返済は現金化業者に行うのではなくクレジットカードで購入した代金を支払うことになります。
このような流れにより実質的な融資をし焦げ付くことなく債権を回収しているのです。
わかりやすく説明しますと
- キャッシュバックによる現金還元 元金の貸付
- 価値のない商品のクレジット決済 貸付のための保証
- クレジットカード会社への支払い 金利分を含めた返済
というように代用することができます。
したがってこのクレジットカードのショッピング枠現金化というビジネスは闇金融業者が考案した新しい形の貸金業の方法なのです。
クレジットカード現金化と闇金融を比較
クレジットカード現金化と闇金融はどちらもお金を借りるための商売であり法外な利息を支払うことになります。
ではこの両者にはどのような違いがあるかを比較していきます。
実質的な金利
古くから高利貸しと言えば「トイチ」というのが相場でした。
このトイチというのは10日で1割の金利という意味からきています。
10日で1割ということは30日で3割ということになりますので月3割です。
つまり1年に換算すると360%の金利を支払わなければなりません。
2010年6月に施行された改正貸金業法により出資法で定められている上限金利は年利20%です。
したがってトイチでも法定金利の18倍の高金利となるためれっきとした犯罪といえるでしょう。
ではクレジットカード現金化の金利はどのくらいなのかといいますと、平均的な換金率は70%程度のため10万円の決済に対し融資される金額は7万円となります。
7万円に対し支払うのが10万円なので利息は3万円です。
7万円で3万円の利息というのは42.8%となりますので、これは年ではなく1ヵ月単位となりますので年利513.6%というトイチ以上の超高金利となるのです。
それに対し闇金融の金利は現在ではトイチでは貸してくれることはないでしょう。
担保も保証もない債務者にお金を貸すリスクはそれだけ大きいことになります。
ウシジマくんのように10日で5割というのが平均的な数字なのではないでしょうか?
10日で5割の利息は単純にトイチの5倍なので年利では1800%という数字になります。
つまりトゴで10万円を1年間借り続ければ180万円支払わなければならないのです。
金利だけを見れば闇金融の方が極悪なのはいうまでもありません。
業者側が負うリスク
この金利を見れば闇金融が羽振り良く高級車に乗っているのは納得できるでしょう。
確かに闇金融に不良債権がなければ莫大な収益を稼ぐことも難しくはありません。
しかしなかには返済が不能となる債務者も数多く存在しているのです。
担保も保証もなく誰にでもお金を貸すわけですのでそのリスクは非常に大きいでしょう。
その代償として法定金利よりも遥かに高い金利を支払うことになるのです。
しかしすぐに支払いはできなくなります。
なぜならお金のない債務者だからです。
そのリスクを踏まえた上での超高金利といえるでしょう。
その点クレジットカード現金化は闇金融と比較すると良心的といえます。
なぜならたとえ高い金利でも現金化業者から催促されるわけではありません。
クレジットカード決済した代金をカード会社に支払えば済むからです。
そして闇金融よりも安い金利で利用することができます。
これは債務者にとってもメリットといえるでしょう。
しかしこれは現金化業者にはもっと大きなメリットがあるのです。
クレジットカード現金化での融資の場合には債務者に取り立てるわけではなくカード会社が立て替えて支払うことになります。
そしてその請求を債務者にするため現金化業者には貸金業の最も重要な作業となる回収を省くことができるのです。
つまり確実に返済される究極の貸金業というスタイルといえるでしょう。
一般的に貸金業という商売はハイリスク・ハイリターンのビジネスであり今も変わることはありません。
しかしクレジットカード決済を間に挟むことによりゼロリスク・ハイリターンという完全な形を生みだしたのです。
それがこのキャッシュバックによるクレジットカード現金化ですが現在では徐々に廃れ始めました。
その理由は債務者に対してのリスクはありませんが、警察やクレジットカード会社隠れることは難しいため摘発される危険性があるのです。
しかし今後このクレジットカード現金化も新たな形へと進化し次世代のシステムが登場することは間違いないでしょう。